屋根の葺き替えと冬支度

今朝は5度だった。
ウチは平屋だというのに12か所もある窓。傾斜地にタカイタカイをしてる家なので、床下は空気=外気温だ。12月に入ったことだしそろそろ窓の冬ごもり支度をしようと思う。

先週は屋根の張替えのために足場が組まれてしまった。家の周囲をすべて足場が取り囲み、どこの窓からも足場の鉄柱が見える。トイレの窓やベッドルームの窓から大工さんや屋根屋さんとコンニチワができる体制である。

皆さん朝が早そうだからベッドルームのおばちゃんの寝起きとか、リビングでパジャマとダウン姿など、見苦しい姿をお見せしては申し訳ない。オフィスは雨戸を閉めてエアシートで窓を隙間なく封鎖した。トイレの窓もふさぐ。お風呂は庭がよく見えて露天風呂気分になれる窓だが、1月にはバスタブに氷が張る冷凍庫並み気温なので外から断熱材のスタイルフォームを張ってしまう。

洗面所もエアシートで覆い断熱パネルでふさいでからカーテンを閉める。キッチンとよく使うデッキの窓はふさいでないが冬眠用の薄暗い穴倉のような冬支度が完成である。これで気温が4度あったかい。

屋根の葺き替え工事で心配なのは紫音。
人がいるはずのない屋根や窓の外から物音や振動や人声が聞こえたら神経質な紫音は怯えるに違いない。
足場ができたからには外の外壁もペイントし直すのがベストなのだが、今回は雨戸の戸袋だけおじちゃんが自分で塗りなおしたいという。

傾斜地なので平屋と言えど、ベッドルームの外は2階建ての2階分に相当する。試しにおじちゃんが足場を歩いてベッドルームの外の戸袋をチェックしたところ、紫音はうなり声をあげてリビングに逃げた。人がいるはずのない外から人影が見えたので仰天するのも無理はない。これはちょっと厄介かもしれない。

屋根の葺き替え作業自体は正味2週間くらいのものだが天井から音がしたり窓の外から人がのぞいたりした紫音の神経が持たないかもしれない。
テンは?

FIPから生還したアメショーのテンはキャットタワーで爆睡していた。微動だにしない。
足場が組まれていくときにはテンは驚いておじちゃんに助けを求めるようなそぶりを見せたが、大丈夫よと言ってやるとうなるようなことはなかった。

猫友のY子さんが、アメショーってちょっと頭が悪くない?って聞かれたが、正直なところ、おばちゃんもアメショーは鈍いのではないかと感じてる。そこがかわいいのだが。先代のテンも去勢手術のためにクリニックに連れて行ったところ、手術が始まるまでキャリアーで爆睡していたそうだ。だから先生には大物と呼ばれていた。

超食い意地がはったシャムの紫音と比べると、テン・ジュニアはちょっとスローな末っ子という感じがする。

来週から大工さんが作業を始める。

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安定の銀

不況に強い資産は貴金属である。
FRBの発表も為替でも安心できるニュースがないので、おばちゃんは不況に耐える有効な資産を考えていた。金はとっくに上がり過ぎている。が、貴金属は金だけではない。金があれば銀がある。

そうだ、銀は昔から非常に安定していて今でも手を出せる余地があるのではないか、、、と考えを巡らせているとリビングの壁に掛けた額縁に目が止まった。
おじちゃんのコイン・コレクションであった。

アメリカの1ドル銀貨のコレクションである。
渡米してから少しづつ集め始め40~60枚たまったのを帰国して記念に額に入れて飾ってあったのである。銀貨だ!そこでおばちゃんはピコンとひらめき、おじちゃんのコレクション額を外した。

黒のフェルトに並べたアイゼンハワーの1ドル。でっかい奴。メキシカンがよくベルトのバックルにもしていた。チャンピオンベルトみたいなのね。おじちゃんも持ってる。

ポカハンタスみたいなネイティブアメリカンが赤んぼを背負った赤銅色の1ドル。これだけは色が違うのだ。金?金ではないと思う?ずいぶん軽いから。Sacagawea2000年
それから硬貨の縁取りがあるジョージ・ワシントンの1972

試しにSacagaweaをEbayで調べてみると、、、なんと1枚1900ドル。おばちゃんは一気に舞い上がってしまった。Sacagaweaは8枚あるのだ!軽~くもう一軒、屋根が吹き替えられるではないか!

アイゼンハワーはどうだ。何せ一番でかくて重いのだから。1976年。Ebayでは1850ドル、楽天では45万という値がついている。これはとんだお宝を秘蔵していたものだ。20枚以上あるから総額でいくらになるのだろう?

そうだ、本職がいた!
K子ちゃんの旦那のDavidは趣味がコイン収集でWebも持っていたし、テキサスではコイン商で働いていたと言っていたではないか。今は沖縄なのでLineで質問を送ってみた。
返事が返ってこないので、待っている間ネットで情報を深堀することにした。

何やらMint マークとやらがあるらしい。DとかSとかMintマークなしとも。ふむふむ。Minted鋳造 Dはデンバー鋳造、Sはサンフランシスコで、マークなしはフィラデルフィアで鋳造されたものだという。
おじちゃんのアイゼンハワーを拡大鏡で見ると、首の付け根に確かに小さなDの文字もある。もう間違いなし、。

でもしかし、おじちゃんがこんなお宝を買えるほど小遣いを沢山やった覚えはないし、はて、本物だろうか?メッキだといつか言っていたような気もするし。

するとClad コインという解説が出てきた。1965年以降、米国で流通するコインはすべてCladコインだという。

えっ?


Clad つまり張り合わせ
数種類のメタルを張り合わせたもの。べニアか!!!!
べニア仕立てのコイン。本物の銀かどうかはコインを積み重ねてエッジを見てみるとよい、と解説にある。本物の銀の場合は白い。そうでない場合はべニアのような重ね合わせの層が見える。

おばちゃんの期待はここですっかりしぼんでしまった。おじちゃんに小遣いをやってなかったから高価な記念硬貨を買えっこないはず。
が、念のため20枚以上もあるアイゼンハワーを積み重ねて横から見てみた。
すべて茶色と鈍色の縞々だった。

ポカハンテスはどうだ。改めてみてみるとポカハンテスにはがあった。銀や金どころか錆のくる金属みたいだ。
見てくれはEbayのお宝コインとそっくり同じなんだけどなぁ~。

ダメ押しでDavidからくるLineの返事。
アイゼンハワーはごく普通のだよ。額面の価値があるけど。1971-1978年の場合はプレミアがいて10セントくらい高くなるかも。
―だって。ダぁ~~~。

おじちゃんがバイトから帰ってきたので、かくかくしかじかとコインの価値を知らせると、おじちゃんは、だからメッキだっていったろ?でも確か1枚だけ本物の銀貨が入っていたはずという。同僚がくれたんだという。同僚がタダでくれるものが高いわけがあるまい!

全部のコインをもう一度見てみたらエッジが白く光るクオーターがあった。調べてみると価値は5ドルから7ドル50セントの間らしい。馬鹿野郎!

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”会社は家族” 説が崩壊した日

カリフォルニアを走る

クラッシュ・ランディング

ソフト・ランディングでもなくハード・ランディングでもなく
クラッシュ・ランディングだ、と米国経済アナリストは言っている。

Crash Landing!
恐ろしい。
バイデンが積みました米国の負債は$33 trillion。(GPT比だと日本が最高)
来年の利払いは1トリリオン?だとか?そんな巨額の負債を合衆国といえど払えっこないからとドルの評価は下がった。

アメリカの不動産価格はバブルで2000年の4倍以上に達している。
ローン金額の中央値はひと月4000ドル。誰が家を買えるのか。
家自体の価格が高すぎる。FRBが金利をあげローン金利は7%を超えたから家の価格ほどの支払い金利がある。支払総額を考えると売買の意思にとどめを刺される。全米で家の売買のキャンセルが4.5万件で最大になったという。

バブル価格の家を買ってしまった夫婦はどうなるか。
月8000ドルを稼いで世帯収入の半分4 000ドルを家のローンに支払い、どちらかが失職したら確実に家を失う。全米のHousing Marketは最大で40%の下落を傾向にある。マーケットクラッシュの動画を見ていたらどうもアクセントが聞き取りにくいから変だと思ったらオーストラリアだった。カナダでもUKでも同じクライシスの動画が出ているから世界同時にクラッシュが始まっているのだ。
2009年を上回る勢いではないか。

Black FridayはDead Friday
Thanksgiving明けのショッピングモールを歩く動画があった。

Best Buyに行列がない。
JCPenny もTargetも人がいない。セールの主流がオンラインに変わったとはいえ、ブラックフレイデーのモールに人がいない!
Thanksgivingのディナーの時間からBest Buyの入り口にテントを張ってセールを待った人はもういない。
Dead Friday

おばちゃんは空っぽのモールを見て心底震えあがった。
人は60%オフのセールに行くより生活に必要な費用をねん出するだけで、いっぱいいっぱいなのだろうか。年末まではホリデーシーズンである。Black Fridayの後に12月のクリスマスがありクリスマスあとのWhite SaleからNew Yearsと続く。Dead Fridayでセールが不発に終わったからクリスマスも期待できず、小売業はそろそろレイオフを始まるかもしれない。カリフォルニアの失業率は10月で4.8%だが8月からじりじりと上がり始めている。早ければ12月からレイオフが始まり失業率は爆上がりするリスクがある。

Paycheck to Paycheck 
統計では、現在の米国人は10万ドル以上の世帯収入があっても急な1000ドルの支出に耐えられる貯金がない層が60%という。

コマーシャル物件の崩落もただ事ではない。リースが高くなりすぎてビジネスが逃げ出す。どうやったって利益が残りっこないから。
People are leaving San Francisco!
People are leaving LA 
きらびやかなシティのメインストリートからブランド店が撤収していく。都市の中心部が空洞化し集団万引きという強盗団がはびこる。

一方で、パンデミックの間の株価の高騰で投資が成功しアーリーリタイアの成功者の一抜け層。
不況こそチャンスだ。暴落した不動産を投資の目標として、フォークロージャーを狙う層。ごくごく一部の成功者だけ。1930年のグレート・ディプレッションを超える大恐慌が襲ってくる、、、。

日本経済が影響を受けないとは、とても考えられない。
2024年、クラッシュ・ランディングに備えてワラでも救命具でもなんでもつかみたい気分だ。

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ついにFIP寛解

テンはFIPから逃げ切れたようである。
今日の診察では体重が3720gに増え熱も神経症状も観察されなかった。

「薬を切って1週間症状がみられなかったら寛解と言っていいでしょう。」獣医さんの宣言であった。

長かった。
追加の9週間をいれてFIPの治療は5月の末から約半年。よくぞ逃げ切ってくれた。生後2か月で真菌だらけで家に来て、先生からは無事に育つかどうかは半々と言われた発育不良の猫だったから。

ありがたい。長生きをしてほしい。若く熱意のある獣医さんに恵まれて幸運だった。
とうれしさを噛みしめるおじちゃんとおばちゃんであった。

うわぁぁぁ~~!
なんだよ、急に大声を出すなよ。シオンちゃんの尻尾が広がっちゃったじゃねぇか!
バカたれ。

そんなこと言ったって、驚くなよ。
楽天から10月分のクレジット請求額お知らせだ!
その額、なんと46万!
おじちゃんは、息をのんで押し黙っちゃった。あとは知らんと言いたいのだ。

いやぁ~、これで4Kテレビの請求はまだ入ってないから。
あっ、忘れてたわ。Thinkpadを買ったんだった。郵便局のへそくりで買うつもりが結局オンラインで買ったからカード支払いになった。46万には生活費も入っているけどテンの治療費とThinkpadが、、。

来月は4Kテレビが入ってくるがテンの治療費がないから。バンザ~~イ。

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2024年リセッションは来るのか

11月15日 ドルの為替レートは天井をついたかもしれない。
アメリカのCPIは10月で若干下がり、失業率はこれから上がりそうな予感がする。アメリカ国民のカード残高はリーマンのリセッション時代を上回りそうだ。開戦前夜のような邪悪な気配がヒタヒタと忍び寄ってくる気がする。

おばちゃんは小売業でサブプライムのリセッションからのサバイバーだったが、あの時の絶望感はよく思い出す。日系新聞や日系コミュニティ・雑誌に売りビジネス広告がずらりと並んだ。誰も買い手はいないのに。借金がなくて体力(資金)があるビジネスが生き残った。おばちゃんは持ちこたえたが、リセッションのさなかで小売業を営むなんて地獄の修業は二度とやりたくない。

小売業をやっていると客の支払いは常にクレジット払いが現金を5%以上上回る。現金とクレジット払いの割合が逆転したのが2008年の9月。あれ?おかしいなと。
Go Back to School期にしては売り上げ減が長引く。客の呼び込みのために内装のリモデルを計画し、同じことを考えていた同業者と業務問屋で鉢合わせした。

何かがおかしいと思いつつぬかるみに沈み込んでいって、気が付けば客のクレジット支払いよりキャッシュの支払い割合が逆転していた。
客のクレジット限度額がいっぱいになった結果だったのだ。

周りを見ればショッピングモールの隣のビジネスも水面下であがいていて、顔を合わせると愚痴を言うのだが、未来が見えない恐ろしさに目を背けてこの不景気はそのうち終わる、何とか持ちこたえればとオーナー達は自分で言い聞かせていた。

過去のアメリカの不況はどうだったのか。
2009年当時、おばちゃんは恐怖を薄めるために統計を調べた。
プライムレートや国債の利率、CPIや失業率をグレート・リセッションの統計数字と比べた。自宅の価格を毎週Zillowでチェックした。 どんな不況もひどいのは正味3年くらい。統計と売り上げを分析しながら歯を食いしばって3年。持ち直したと思ったのが2012年だった。

2021年カリフォルニア・OCでコロナの死者が30万人を超えたと知ったときに、これは大変な恐慌になるのではないかと震えた。
アメリカ経済はよく持ちこたえたあとインフレに襲われ家も車もエネルギーも高騰した。給料は上がるが物価には追い付いていない。ただ仕事さえすれば家計は回ってきたのだろうが、そろそろクレジットの限度額に到達しつつある。

アメリカでも日本でも正反対の分析を発表するアナリストがいる。
●失業率が低どまりだからアメリカの経済はソフトランディングに持っていける。今はリセッションではない。

●リセッションはそこまで来ている。すべての数字が危ない。備えるべき。

どちらの分析も納得できる点はあるのだが、おばちゃんの気がかりはアメリカ人のクレジット残高。14兆円?高沸した物価。

これから一気に消費が落ちそうな気がする。小売業が傾くので、その後に来るのはレイオフ。ビジネスが生き残るためにレーバーを切っていく。

失業するとローンが払えず、しかも不動産の価格は下がり、家の評価額がローン残高を下回るようになるとフォー・クロージャーが増える。さらに不動産会社が倒れる。

2009年の時は首を切られたパートタイマーが、ホリデーシーズンのTempセールス要員に殺到したが、募集人数も多くなかった。Thanksgivingと Christmas商戦はしけた花火のようで人は不要な買い物を控えた。

2023年10月統計は失業率が全米で3.9%と低い。カリフォルニアは4.8%。11月からアメリカはホリデーシーズンになる。Thanksgiving あとのBlack Friday、 Christmasセールと White Sale, 年を越してNew Years Dayとホリデーは続くのだが、年内のホリデー消費が伸びなければ消費低迷が露わになって、来年は小売業からレイオフが始まるかもしれない。

ローレン・バフェットのキャッシュ残高が最大になったという。
体力があるビジネスだけが生き残る。最悪のリセッションがやってくるのだろうか?おばちゃんはおっかない。

日本でどこまで影響を受けるか。ドルがどのくらいまで下がって、円も落ちるとしてどこで均衡するのか。
恐慌なんかできれば来てほしくない。切に切に祈るおばちゃんである。
人差し指を重ねてソフトランディングを祈ろう!

猫に粉薬を飲ませるには

無味無臭と言いながら、粉薬を混ぜるとウエットフードも食べない。
薬が嫌いな猫にどうやって飲ませるか、おばちゃんの方法を伝授する。

FIPの猫に6か月間毎日治療薬をやり続けるには工夫が必要だった。猫さんに薬を飲ませるのに困っている方に参考になるかもしれない。

クリニックではウイルス薬の「錠剤」を仕入れていた。
FIPの症状を見ながら体重によって毎週薬の量を調節する。だから薬はいったん錠剤をつぶして粉にし、今週の処方g単位で再度個別包装される。

薬の味を嫌がらない猫なら、ウエットフードやチュールに混ぜてやればいい。
しかしドライフードしか食べないとか、味やにおいがないはずの薬の味を嫌がる猫に粉薬を飲ませるにはどうしたらいいか。

まず、薬を飲ませるタイミング
ご飯の前。
ただし、あまりおなかをへらし過ぎていると薬の後にドカ食いして吐くことがあるので、満腹にならない程度の軽食をさせてから、薬を飲ませる。薬を飲ませてから10分程度時間をおいておなかが落ち着いたころ、いつもの食事を与える。

チュール作戦
ウイルス薬の粉薬は味も匂いもないはずだったが、チュールに混ぜてなめてくれたのは最初の1月半くらい。味がないと言われてもやはり何かおいしくない味があるのだろう。
症状が改善し体重が増えると処方のグラム数も増える。毎週増えていく薬をチュール1本に混ぜると途中で味を嫌がって逃げてしまうことが増えた。

そこでチュールのフレーバーを変えてみた。
チキン味からツナ味へとチュールを変えてみても途中で薬の味に気が付くともう食べない。エネジー・チュールと子猫用チュールは嫌がって最初から食べなかった。薬とチュールのフレーバーが合わないらしい。
全部舐めてくれないと残りを指で掬い口に押し込むことになるので、別の手段を考えることにした。

薬用チーズ
ペットショップでは薬を仕込んで食べさせるようにマカロニのように真ん中に穴が開いた猫の薬用チーズが売っていたので買ってみた。
まず、大きすぎ。そのままの大きさでは口に入れても大きすぎて噛むしかないが中の薬が口にこぼれると吐き出されることになる。
いったん封を切ると冷蔵庫で保存するのだが、乾いてくるから飲み込むのがますます難しくなる。捨てた。

丸薬にする作戦。
後半3か月は毎回丸薬を作って飲ませた。
粉薬をもう一度丸薬に丸める。

用意するもの
市販のシフォンケーキや蒸しパン。
つまようじと10センチ四方に切ったサランラップ

ヤマザキの「チーズ蒸しパン」や「」のきめ細かいしっとり系のシフォン生地がいい。セブンの「たまご蒸しパン」も好き。
ケーキ、菓子パン、蒸しパンなどが丸薬にしやすい。

まず、つまようじでケーキの生地を軽くひっかいて小指の先っちょ1/3ほどのほぐれた生地を10センチ角のサランラップの上に落とす。
粉薬をこの生地の上にパラパラと振りかける。

サランラップの一方の端をもって、生地と薬が乗った個所を中心になるように折り曲げる。
そして指の腹で薬とシフォン生地をサランラップの上からつぶす
サランラップをはがすと、生地と薬はペッチャンコになっているはず。つまようじでこの生地の端っこを持ち上げて二つ折りする。
またサランラップの一方の端をもって生地を二つ折りして指で押す。

つまり、サランラップの間に薬と生地を挟んで、何重にも折りたたんだパイ生地を作るつもりで繰り返す。程よく生地と薬が混じった練生地が出来上がったら、指で5~6ミリほどの大きさに丸める。
わりとねっちりとした粘土状になっているはず。ぽろぽろ崩れるようなら生地に水分が足りない。


テンをおじちゃんにだっこしてもらい猫の口を開けて人差し指で丸薬をのどの奥に落とし込む。口の横っちょから注射器で水を5ccほど注いでやる。猫は唾液が少ないので飲みやすくするため。

一回に必要なシフォン生地はごく微量なので、3日か4日は同じ菓子パンが使える。パンが乾いたらまとまりが悪くなる。そしたら食べちゃえ。

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テンJR.がFIP

テン・ジュニア FIP闘病記7

テンジュニア FIP闘病記12

テンと私の闘病記

テンのFIPウイルス薬の量はさらに減って10mg/体重になった。
これで1週間異常がでなければ治療終了となる。

ウイルスへの“とどめ”として最後の2週間にMutianを使いたかったが、ドクターから却下された。半端に使用すると薬剤耐性がついてしまうので、使うなら6週間から12週(標準投薬期間ね)、そうでなければ使わない。

そうか、それではMutianは再再発したときの切り札として使うしかないわけだ。
先日Mutianは無事クリニックに届いていつでも処方が可能のようだ。小さな安心だ。

ちなみに1週間の薬代はおおよそ今のモルヌの2倍だそうだ。再発の場合は、6週間処方と検査費用を込みで40~50万を覚悟する。
テンは毎日、シオンの後を追っかけてからんでいこうと走り回っている。
テンよ、逃げ切ってくれ~

次の日は私の検診日。胆のうがんステージ2 拡大手術でリンパ節と肝臓の3分の1を切除済。
朝いちで血液検査を行い、診察室に呼ばれる瞬間が一番いやだ。

ドクターは(体調)はどうですか?
おばちゃんは、(血液検査の結果は)どうですか?

乳酸値が高いほかは100点満点だそうだ。ガンマーカーも異常なし。
食後に右わき腹がどんより圧痛があるのはなんでなんでしょう?と質問すると

ドクター:みぞおちは?みぞおちなら胃の検査をした方がいいから、
わたし:いやいや先生、胃の内視鏡は手術の前にやったじゃないですか。みぞおちじゃなくて“右・わき・腹”胆のうがあったとこ!

ドクター:腸かなぁ?
わたし:えぇつ?腸?右わき腹ですよ?
ドクター:だって、何にもないもん。

そういわれればそうだ、あんたが胆のうも肝臓も切ったからわき腹には内臓が無い。でもなんでか時々痛むのよ。胆管が残ってんじゃないの?でもドクターに思い当たることがなければ異常ではないのか。

わたし:時に、先生、刺身はもう食べていいんですか? 
ドクター:かまいません、食べていいですよ。次の検診はCTが入りますから。

お付き合いで刺身を食べられなかったおじちゃんも喜ぶだろう。清水港のお魚館でマグロを食べずにおにぎりを食べたなんて悲しい思いをせずに済む。

わたし:ねぇ先生、そろそろ来年で胆のうガン術後2年ですけど、再発のリスクも下がりますよね。
ドクター:まあ、そうですね。リスクは下がります。

このままおばちゃんも逃げ切りたい。

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おばちゃんはスイッチが入れば行動が早い。
屋根の張替え見積もりにOKを出したばかりだが、今日はヤマダ電機から帰ってきた。

ヤマダ電機?
4Kテレビを買ってしまった
屋根の工事はまだ先だろうって?今夜ケーブルテレビの追加契約のために、営業が来て実際の契約をするのだが、昼からおじちゃんが電気屋に行きたいというのでEdionをのぞいて、それからヤマダ電機に行きテレビを買ってしまった。

セールスマンは知識豊富で熱心だった。おじちゃんが彼にこの4Kテレビはアンテナにつないでも見られるの?って聞いてしまい、ケーブルでもアンテナでもどちらでもOKですという答えをもらって、
な~んだ、それじゃあ屋根の張替え完了を待つ必要はないじゃないか、で、先に買ってしまった。

まだ屋根の張替えがいつになるか日付も決まっていないのに。工事中はアンテナを下すから今のテレビでは放送見れなくなるだろうと、ただの不自由さがおじちゃんには耐えられなくて、先回りでテレビだけ買ってしまった。
瓢箪から駒というやつ。

NetFlix もYouTubeもこれからはテレビで見られると思うとちょっとウキウキする。43インチだからそこそこ予算通り。テンの2週間分の治療費だと思うと、なんだ安いじゃないかと思ってしまう。ウチの経済指標は完全に壊れてしまった。

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自分でやろう少額裁判 アメリカで訴える1

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また、ロシアン・ルーレットの時期になった。
3か月ごとの検診である。おばちゃんは胆のうがん切除後の保護観察中で3か月ごとに病院に出頭するのだ。再発の危険度が一番高いのは術後の2年。この2年を乗り越えられれば再発のリスクは年々下がる。

5年過ぎてポコッと出る再発は遅発性再発で単発のガンに近いから外科手術でとれるものなら大事にはならないかもしれないらしい。

4種類のガン・マーカーの値は上がったか?下がったか?
あみだくじの先が出口のA案にいくのか、あるいはさらに迷路が続くのか、血液判定の時期が来たのである。

嫌ねぇ。最近右わき腹がどんより圧迫感がある。だるい。体重は増えたけど。
ガンで体重が減るのは、進行度が進んでから。胆のうがんが発覚したときは、おばちゃんの体重は帰国後3キロ増えていて最高度だった。体重なんかあてにならない。

Yahooの記事でーー
ドクターが、ガンは切っただけでは終わりではないです。3か月ごとに検診をして5年無事に過ぎたら完治したとしていい。3か月ごとのチェックは嫌な気持ちで、検診の前にはあちこち具合が悪くなり、検診の結果異常がなければ具合がよくなる患者さんもいます。― ー

ぇ~~っ。おばちゃんのことではないか?
血液検査の結果が出るまではみぞおちが痛んだり背中が痛かったり。
結果が異状なしとわかると、メンタルのせいだったんだと痛みや不快感が飛んで行って心が軽くなる。

メンタル再発だったか、、。3か月ごとにこの過程を繰り返すのは正直楽しくない。帰国・移住生活も落ち着いてきたのでできれば穏やかに生きたいが。

おばちゃんはコタツむりになると、ネットにちょいちょいコメントを書いたりしたのだが、先日

「あんたはいいね、幸せ自慢?」とリプライがついた。
リタイア後の生活は予算が許す限りでいろいろやってみようよ。と書き込んだだけである。

幸せ自慢に感じられたなら、それは幸せだからだ。
従業員に給料を払うために毎月きっちり利益を出さねばならないプレッシャーがない。セールス・タックスやビジネス・タックスを払う必要がない。なにがなんでも朝起きて出勤する必要がない。

助けてくれる人は自分とおじちゃん以外にいなかった。そんな背水の陣みたいな重圧がなくなって、自分の時間を自分で使える幸せがあって、邪魔されないで自分の畑・庭を作れる幸せがあって、ついでにガンの再発のリスクがあっても、病気の猫を抱えていても、今が人生で一番穏やかで幸せだと思う。

自分で人生の決断をしてこなかった人、自分で責任を取らなかった人、人生がうまくいかなくて自己憐憫に陥って他人が憎く見える人。残りの人生も後悔と妬みにさいなまれて送るのだろうか?

大リーガーの大谷が「憧れるな」と言ったらしいのだが、よくわかる。
人は「憧れ」という熱い思いだけで何となく心が満たされて、“自分の“憧れに向かって努力するのを忘れてしまうから。

憧れも後悔も同じ。
そんなことを感じている間に努力せいや!戦え!と大谷君は言いたいのだ。憧れるより自分の夢を追え!自分の夢を実現せいや!
アメリカで戦っている大谷君はアメリカの子らしくなった。

幸せは自分でつかみ取るものだ。
自分の頭で考え自分で決断する。戦って自分で勝ち取るものだ。

血液検査のサイコロがたとえ「凶」に転がっても、おばちゃん、やらねばならないことをやってきて後悔はない。ガンとは戦わないが、おじちゃんと猫たちが幸せに暮らしていけるように準備をするだろう。病気のテンを寛解にもっていき、家を修理し、山に知り合いを増やしおじちゃんが安心して暮らしていけるように生活の軌道を作っておく。

サイコロは3か月に1回振る。あと16回。

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異色・入院雑記

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不動産屋のKさんがまた見積もりを手にしてやって来た。
よかったですね、切りがいい数字にしてくれました。

よかった!数万円浮いた。
家のリフォームで町の補助金が出ないかと調べたのだが、建築年が昭和XX年以前なら町の指定建築業者で耐震診断書を出さないといけない。
考えてみればわかる。耐震構造にもなっていない家に補助金を出して地震でつぶれれば、補助金を捨てたことになる。だから町は耐震診断書を出させるのだ。おばちゃんの古い家にはそんなもの出るわけがないので自腹でやるしかないのだ。

おじちゃんが心配していることが一つある。
屋根の吹き替えにはテレビのアンテナを一時撤去するはずだが、そうすると工事中はテレビが見られないのではないかという疑問である。

Kさんに確かめてみると、やっぱりアンテナを下すんだからテレビは無理でしょう。でもネットを光にしてたら有線が家まで来ているから、いっそテレビも契約に追加したらどうですか?と言う。そうしたらアンテナなんかもう必要ありませんから。

そういわれればそうだ。
光ケーブルで固定電話とネットを契約しているから電話して聞いてみよう。すると工事は3週間ほど待つそうだ。

ここから夢が広がり、いっそスマートテレビにしよう、NetFlixをテレビで見られる。電気店によれば今の東芝を下取りしてくれるという、500円で。リサイクル料5000円を支払うよりはましだ。

一番先にテレビ契約と工事を済ませてしまい、それからスマートテレビに買い替えて屋根の吹き替え工事中もおじちゃんはテレビを見ていられる。

不動産屋のKさんはなんだかウキウキしていて、今はXXXさんの別荘の後始末をしてるんですという。XXXさんはおばちゃんも日本のテレビで見たことのある人である。ご高齢で現役を退いて山荘を売却し、Kさんは中身の処分に頭を悩ませている。

値打ち物はすでにご家族が引き上げた後だが、おびただしい衣装や用品を始末せねばならないらしい。スパンコール付きの衣装などちょっと引き取り手もないので困っているんです、と嬉しそうに言う。
はは~っ。なんだか楽しそうだ。

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