海外の日本人社会は馬の骨の集まりである。
日本社会で生きにくくて日本を飛び出して見知らぬ国に渡ってきた日本人達が、同胞を懐かしんで寄り集まってきたのが日系社会である。お互いどこの誰かわからないから日本では有名大学卒とか名家の出身とか自分を騙る日本人は昔からいた。今もきっといるだろう。
アメリカという国も世界中の馬の骨の集まりである。
アメリカは出自を問わず受け入れてくれ優秀であればアメリカ社会で成功することができる。優秀な外科医、チェーンレストランのオーナー、有名スポーツ選手、農家、大規模ガーデナー。馬の骨の子孫が次世代のアメリカを作っていく。
外地の日本人社会には戦前の移民から引き継いだ新聞、日本人会、日系人会、県人会があって、新しく渡ってくる新一世が先人の作った組織を引き継ぎ、自分たちの子供の世代に受け渡していくのである。
LAにも戦前から引き継いできた新聞がある。
電話・ファックス・インターネットなど何もなかった時代に、カリフォルニアで暮らす日本人1世のために日本の情報やコロコロ変わる移民法などを知らせるための唯一の情報源であった時代があったのだ。新聞として何度も経営危機に陥ったが今でも西海岸の伝統ある日系社会の組織の一つである。
このような日系組織がどのように活躍しているかというと、日本人・日系人同士の親睦。日系子弟のための奨学金設立。そのためのファンドレージング。日本人の精神を引き継いでもらうための伝統的武道などの奨励。そのためのファンドレージング。日系社会の弱者扶助のためのチャリティ、ファンドレージング。組織の会報の発行。
移民の歴史が古い土地では日系の博物館が運営されていると思う。
これらのトップに立つのが日本総領事である。
草の根からできた出自のわからない馬の骨の集まりであった日本人会が、詐欺師ではないことを正式な組織として正当づけてくれるお墨付きみたいなものだ。
アメリカ社会で成功して余裕が出てくると、こういう組織のまとめ役に押されるのである。
能力を認められて尊敬を払われている証拠でもある。これら組織に協力する人は、みな本業があり、日系人会の活動のためには手弁当で自分の時間を割いて運営に携わっている。いろんな機会にする寄付の額も一般より多いだろう。
在米の方たちは年末の助け合い運動を思い出してもらえると思う。
寒いなかずっと立ちっぱなしで1000ドル2000ドルの寄付を子弟の奨学金や弱者の生活のために集めるのである。金はいくらでも欲しい。
日系協会の催しの協賛に日本領事館と日本の大企業が並ぶのも運営のためである。
チャリティゴルフにアメリカ支社長や駐在のトップ、レストラン協会の会長が参加するのも成り行きである。
LA日系人博物館
LAのリトル・トーキョーにある。昼ご飯を食べたら通りを渡ってのぞいてみてください。移民の一世たちというより、移民の2世=アメリカで生まれてアメリカで育った日系人の記念碑的博物館である。
こういう民族的博物館は、入館者が行列しているわけではない。わくわく、きらびやかな展示品が並んでいるわけではない。そこにあるのはアメリカで生まれ育った2世がアメリカの社会と戦った歴史である。
それはきっとニューヨークでも同じような戦いがあったに違いない。ニューヨークでは地上施設として博物館ができなかったのかもしれないが、成功した日系人が発起人となってデジタル博物館が誕生した。2020年
会長: 本間 俊一 (コロンビア大学教授・JAMSNET代表)
副会長: 秋吉 敏子(作曲家・ピアニスト)
髙岡 英則 (三菱商事会社社長)
スーザン 大沼 (ニューヨーク日系人会会長)
名誉会長: 山野内 勘二 (在ニューヨーク日本総領事・大使)
名誉館長 山之内寛二 NY総領事さらに発起人に名を連ねているのは
河野 憲治 / NHKアメリカ総局長
地上建築物ではなくデジタル博物館である理由は簡単。費用が掛からないからだろう。地上に建築物を建てあるいは物件を借りて人を配置すると、とてつもない費用が掛かる。
日系人協会には金がない。昔も今も多分金はない。一般日本人や日系人から寄付によって地道に資金を集め、協賛してくれる日本企業と領事館からの寄付は不可欠だった。その結果デジタル博物館が誕生した。
日本の大企業と領事館とのしがらみで、小室圭夫妻のビザの発行組織として利用されつつあるのかもしれない。篠原氏 公開取材ライブ 56:52秒
ゲーリー森脇氏はボードのメンバーとして名前があり、日本の紫綬褒章をもらったばっかりに頼みを断り切れず火の粉を被る羽目になった。 皇室と縁が深いピアニストは何を依頼されたか?先人の歴史を収めたデジタル博物館を作ろうとした結果大きな借りを作ることになったのかもしれない。
縁と義理と寄付金によってこの日系組織は狙われたら弱い。草の根から活動してきた組織として、どうぞ公正と独立を保ってほしいと切に願う。
The Japan History Council of New York was established on December 12, 2020 by fifteen eminent persons from a variety of backgrounds. The Council aims to collect, preserve, publish, and disseminate the Japan-related history in New York and its surrounding areas and pass on this history to future generations.
- Chair: Shunichi HOMMA, Professor, Columbia University, and President, Japanese Medical Support Network (JAMSNET)
- Vice-Chairs: Toshiko AKIYOSHI, Composer and Pianist Hidenori TAKAOKA, President and CEO, Mitsubishi Corporation (Americas) Susan J. Onuma, President, Japanese American Association of New York, Inc (JAA)
- Honorary Chair: Kanji YAMANOUCHI, Ambassador, Consul General of Japan in New York
