”会社は家族” 説が崩壊した日

「ねぇ、奥さん、あなたのために世界は回っているのではないんですよ」電話の弁護士はホントにこう言った。渡米して2か月後のことだった。 渡米して最初の給料日が来ると、日本でサインしたはずの契約書とは全然足りない給料が渡された。え?ダンナも日本から一緒に来た同僚たちも頭をかしげたのだ。アメリカのペイチェックは2週間に一度だった。もらった給料は、契約書で約束された月額の2分の1にも全然届かない。どういうこ… Continue reading

アメリカのお役所と戦う

日本は物事がするする運んでスペースシャトルを打ち上げるアメリカが、なんでトラブルばっかりだったんだろう。役所のミスも多かった。 友達はDMV(免許車両登録局?)で免許試験をパスし、1月経っても免許が届かないのでアメリカ人の夫とDMVに問い合わせに行った。窓口のおばちゃんは「アンタは試験に落ちてる」と言うのである。彼女はテストに受かった時にくれる引換証を見せても、とにかくDMVのコンピューター・シス… Continue reading

おばちゃん役所で暴れる

売買エスクローがオープンしてから、おばちゃんは会社の登録に忙しかったエスクローの必須事項をクリアしていくためにスケジュールをたて必要なライセンスの取得、物品の購入、テナント内の改装、業者の選定と契約などすべてをビジネスがオープンする日に向けて収斂させていかねばならない。 一番面倒くさいのは、ビジネスに必要なXYライセンスだったがこのXYだけは申請・登記して済むものではなく2~4か月かかるややこしい… Continue reading

アメックスがアメリカを所有している

おばちゃんはマーチャントサービスのアメックスとは3か月でケンカして切った。 銀行経由でビザ、マスター、アメックスと契約していたけれどアメックスの売り上げはいつ入金されるのかさっぱり分からない。 同じグリーンのアメックスでもポイントが付くのか、タイプが違うのか、3日目か6日目か1週間後か、売上伝票をそろえていてもどれが入金されたか分からない。おまけに手数料が3.5%だった。 ビザ・マスターは高いもの… Continue reading

ポンコツ従業員

Don’t scream at me!とマネージャーは言ったけど、これが叫ばずにいられるかって。客のオーダー表を無くしたのは一体誰なんじゃい。日本では考えられないことが起こるんである。 おばちゃんはビジネスのオープンに向けて発注した機器の納期を何か所かに順番コンファームしていたのである。ベトナム系や中国系の場合、返事は軽いが仕事はいい加減なので直前でまた確認を取らないと納期に配達される… Continue reading

おばちゃん危機一髪!

もし、ウエスト・コート・シリーズが映画化されるとしたら、おばちゃんは吉田羊でおじちゃんは伊原剛志がいいかな。NHKの「ふたりっ子」はKTVで放送されたので、芸能音痴のおばちゃんも見ていた。伊原剛志のファンよ。ウフフ、還暦過ぎおばちゃんの妄想。 さて、店舗を経営しているあいだ、修羅場というのはいくつもあった。その中でも最大級がガス事件 ビルが倒壊する!? 土曜日の午後、仕入れが終わってフリーウエイを… Continue reading

トリスタンとミコ

うちのビジネスにはトリスタンというメキシカンがいて、物静かでよく働いてくれた。 ビジネスを始めたあと、思ったより忙しく手が足りなくなったのでスペイン語と英語で求人広告を書いて、メキシカンが多く住むアパートの近くに張ったりした。問い合わせがあるのだが、どうも採用までたどり着かない。おじちゃんもおばちゃんも休みが取れず疲れ切ってしまって、どうしてもフルタイムがもう一人必要だった。 するとトリスタンのほ… Continue reading

ブスのターニャ

ターニャはすっごいブスだった。前の女の子が別の業種に移るので、代わりに仕事ができる子だと紹介してくれたのだった。 紹介者からブスだと聞いていて、ホントにブスだったので笑ってしまった。鼻が思いっきり平たく胡坐をかき鼻の穴も大きかった。一重の目は腫れぼったく細く口も大きくて、ただ色は白かった。 中国系のタイ人なのだという。大柄なのに動きはしなやかで、今まで一番仕事が早かった。素早く動いているように見え… Continue reading

プラマーの子

アメリカの水回りは要注意だった。新築だって油断はできない。ウチの風呂の蛇口は赤いラベルが水で青から熱湯がでた。代々の持ち主は気にしていなかったが。 友達の家はコンドで隣の住人の部屋から水がしみ出てきた。さあ大変である。どこの水道菅が悪いのか。コンドの共有スペースの菅か、個人の所有権のある部分の水道菅か?壁の中なので壁を壊すしかないのだが、水道や(プラマー)を呼ぶ費用、壊す費用をだれが持つか?誰も払… Continue reading

アメリカで訴える1

弁護士のフジツボ村それはビジネスが安定し始めて、3年ぶりくらいに半日休んで友達の集まりに出たのであった。自分にご褒美を上げるつもりで。そこで、友達の顔におかしな斑点があるのに気が付いた。勘のいいひとはお分かりだろうが、レーザーである。 日本人は頬・かん骨部分にシミができやすい。美白クリームを試すより、レーザーで焼くのが手っ取り早い。ただ、おばちゃんはその時初見でなんだろうと思ったのである。まずいく… Continue reading

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