胆嚢ガン ステージ2 術後1年2か月

昨日は血液検査とCTスキャンの検査日だった。胆嚢ガン拡大手術後1年と2か月になる。
おじちゃんには家で病気のテンを見ていてほしいと言ったのだが、おじちゃんは返事をせず一緒に病院に来た。

血液検査は40人待ちで、CTスキャンは予約時間を1時間オーバーしても呼び出しはなかった。一番長いのが主治医の診察までの待ち時間。血液検査の結果が出てさらにCTの解像を終えてから患者が呼び出されるのだ。おじちゃんが、ここんとこ俺たちはず~と病院で待ってるな。2週間のあいだ動物病院でも待って人間の病院でも待って。

経過観察の3か月ごとに、おばちゃんの近未来計画はリセットされる。
1か月か2か月先の近々未来はおおむね計画立案が可能。3か月目の血液検査でどうひっくり返るかわからない。

4種類のガン・マーカーは陰性だった。
CT画像でも肝臓やリンパの異常は見られなかった。

おばちゃんは主治医にこの病院で遺伝子パネル検査を受けられないか聞いた。切除した胆嚢ガン組織を持っているのはこの病院だけだし、公立だからパネル検査可能の病院かもしれない。

あれ~、うちの病院できたっけか?
タヌキ主治医は驚いた。


遺伝子パネル検査をやってくれという患者は私が初めてなのか?これは驚き。地域では肝胆膵の専門なんだが?

静岡県の人口は357万人 日本の人口1億2450万人 比率では0.286
胆道ガンの患者総数は発症22,159 (死亡17,773 実に8割が死ぬ)人口10万人当たりの罹患率は17.6人とする
すると静岡県の胆道ガン患者は628人となる。
さらに静岡市と浜松で県人口の4割を占める。これは東部の病院には来ない。

するとあとは大体半分の患者300人で、近くに有名ながんセンターがあるからそちらに6割流れるとすると、かかりつけのこの病院には年間180人くらい?

手術できない患者は腫瘍内科に回るから、実質 肝胆膵外科に回ってくる胆道ガン患者は100人くらいでここは専門が3人いるから、タヌキ主治医が診るのは年間12人から20人くらいか?
それでも遺伝子パネル検査を要求する患者が一人もいなかったのか?ネットの時代なのに?

遺伝子パネル検査をやれば胆嚢ガンの遺伝子異常の有無がわかる。
去年認可になった胆嚢ガン分子標的治療薬はFGFR融合遺伝子に変異がある患者に治療が見込めるという。ただこの遺伝子変異の可能性は胆道ガン患者の13~17%くらいらしい。遺伝子変異がある患者に対して分子標的治療薬が効くのだ。

分子標的薬が使えるかどうか知りたいというより、おばちゃんの狙いは好奇心と費用である。今年から来年4月まではおばちゃんの国民健康保険料と高額医療限度額は制度上の最低額である。遺伝子パネル検査が保険適応になった以上、次の定期検査の9月にパネル検査をすれば月の費用はすべて3万9千円ほどで済んでしまう。安い!

おばちゃんはどうしてこう言う風に頭が回ってしまうのだろうか?
再発した場合、医者は立場上抗がん剤を進めるだろう。おじちゃんはきっと縋り付くだろう。おじちゃんのために効きもしない抗がん剤を次々3種類試すのは御免である。

去年認可された分子標的治療薬の話も出るかもしれない。しかし分子標的治療薬は遺伝子変異があると効く。その遺伝子変異があるかどうかは遺伝子パネル検査で判明する。だから検査だけを安い時にやっておけば効率がいい。効きもしない選択肢を最初からつぶしておく狙いもある。

もう一つは好奇心。
おばちゃんは両親と姉妹の6人家族だった。
父と母と長女は胆石を手術した。家族6人のうち胆石にかからなかったのは(もしかしてかかっているかもしれないが、聞かされていない)次女と3女だけ。6人のうち4人が胆石持ちというのは遺伝子的に興味深くないか?

もし遺伝子変異があったとして、再発したときには分子標的薬だけの費用ですむ。確か加入している医療保険には先進治療の治療費カバーがあった気がするなぁ?また、給付金でプラスになるかもしれない。

mikie@izu

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。

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