アメリカの年金をもらうーその4 COLA

Cost of Living Adjustment

COLAという
簡単に言うと米国年金局は、毎年3半期-10月に経済指標をチェックする。経済がインフレ傾向にあると年金にインフレ加算をする。インフレの経済下で生活資金も調整してあげましょうというわけ。
インフレ加算COLAに重要なファクターはnational average wage。そしてCPI-W(Consumer Price Index)指標が3%上昇しているとCOLAが発動する。3%トリガーと言う。

今年10月の時点ではアメリカの平均賃金が上昇し、結果、2023年度1月からインフレ加算で年金が8.7%増える。
https://www.ssa.gov/oact/cola/autoAdj.html

COLAインフレ加算の歴代統計は 
https://www.ssa.gov/oact/cola/colaseries.html を参照。
過去5年間で20%以上米国年金額は上昇した。

2009年と 2010年がリセッションで上昇率0%なのはわかるが、2015年が0%上昇なのはなぜだろう?住宅の値段も上昇していて景気は悪くなかったと思うのだが。

一部のニュースで2023年分の上昇率8.7%が歴代 レコードなどと書かれていたが、統計を見れば1980年が14.3%で1981年は11.3%だ。恐ろしい上昇率だが、1980年から-1981年のインフレがそれだけすさまじかったということなのだろう。

日本の場合
日本では給付水準を自動的に調整する「マクロ経済スライド」を導入して、コロナで経済が落ち込んだところを、奇跡のように指標と取って、年金を下げた。火事場泥棒というか、国民の懐を狙ってかすめ取ることばっかりやる国家だわ。車の自賠責基金から6000億借り出して返せません、などと寸借詐欺じゃないか。

日本は信用できない。
ところがだ、アメリカの社会保障評議会は連邦の年金資金が2035年ごろ枯渇すると発表した。
https://www.ssa.gov/oact/TRSUM/index.html
あと12年後だ。アメリカは日本よりはるかに若い国(歴史も人口構成も)ではあるが、やはり高齢化で年金費用が増大するとされている。アメリカよお前もか。

アメリカ基礎年金部分のOASDIは、現役世代が納める保険料が財源。保険料は本人と雇用主が支払う給与税(税率12.4%)。おばちゃんの現役時代は12%支払っていた。現在は両者で6.2%ずつの折半負担となっている。受給する年金から支払う*連邦所得税(25% 高い)や、積立金の運用収入も収入源となっている。

年金の所得税は最低収入を超えるとフラット・レートで高い。
総額の80%に25%がかかってくる。例えば3000ドルなら600ドル連邦所得税で引かれる。手取り2400ドルだ。米国外で暮らすなら連邦税じゃなくて、居住国の所得税法に従って払えばよい。

おばちゃんはUS所得税は引かれなくてラッキーだが、2035年まであと12年。
アメリカはさらにSSタックスを引き上げるか、他の財源も準備するか原資の確保に走るだろう。


日本の老人は
「えっ?年金が下がるの。」年金12万円で暮らす節約術- – – なんてせっせと読んであきらめる羊かもしれんが、アメリカの老人はおとなしくないぞ。
年金原資がなくなった、半分にする。なんて言ったら、銃器片手に老人がホワイトハウスに乱入するかもしれん。トランプの支持者もやったわけだし。もっともアメリカは自国民が羊のようにおとなしくて従順であるとは夢にも考えていないから。老人も現役世代も納得させる妥協策を用意するしかない。

かつてリセッションの数年後、連邦予算が足りなくて公務員の給料が払えないから、お役所が数日休みになったりしてアワヤという危機があった。議会が国債発行を可決して、ディフォルトを回避―――が何回もあったから、あと12年の間に増税して年金原資を枯渇させないようつじつまを合わせるだろうと思う。

日本の国民はなめられている。国の税金と税金の使い方にもっと敏感に行動的になるべきだ。
まず、年末調整なんて止めちまって、自分で確定申告をすることから始める。自分の税金は自分で確認して自分で節約するものだ。国の無駄遣いを監視して財政の健全化を図るための第一歩。
目指せ、最大の自助努力と、最小の税金。
E-Taxは簡単よ?

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mikie@izu について

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
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1件のコメント

  1. アメリカの年金制度について詳しいご説明を有難うございました。日本の年金受給者にとっても勉強になりますね。。それにしても、アメリカの年金にかかる所得税は高いんですね。。

    ネットによると、アメリカの平均年金受給額はUSD47620(620万円@130)で、月額は51万5千円だそうです。方や日本の平均受給額は14万4千円だそうです。つまり、平均で40万円近くアメリカの方が高いですね。でも、アメリカの年金にかかる所得税の方が高いので、40万円程の差はないでしょうが、それでも何十万円かの差はあるんでしょうね。日本の最高年金受取額は月額30万円ぐらとの事ですが、アメリカはいくらぐらいかわかりませんが相当な金額なんでしょう。

    日本はサラリーマンは退職時に退職金が2千万円とかある場合もあるので、退職後はそれをしっかり管理して何かの時に備えるしかないでしょう。

    日本の国民が舐められていると言うか、長年の自民党一択の政権で、皆、何も見ざる聞かざる言わざるになっているんでしょう。政権にとっては、こんな理想的な国民はないんでしょうけど。。日本国民はもっと外国の年金の事も学んで、SNSで広めていくとかした方がいいと思います。

  2. 初めまして、横から失礼いたしますが、アメリカの年金ってここで言われているほど多くはありませんよ。まぁ日本よりは多いでしょうが。
    一人でUDA47,620ドルなんてともとても。

    2022 Maximum Social Security
    Your Social Security benefits are based on your work history and the age at which you choose to begin benefits. If you start receiving Social Security at your full retirement age in 2022, you could receive a maximum Social Security benefit of $3,345 per month.

    66歳の満期の最高額で月々で3,345ドルx130円として43万4850と言ったところでしょう。

    If you are fortunate to have retired earlier, your retirement benefits will be less. The earliest you can claim Social Security retirement income is age 62. At age 62, the maximum Social Security benefit is $2,364 (a drop of about 30%).

    62歳で受けとれば最高額が2,364ドルx130円として30万7320円と言ったところですかね。勿論これらは一人分ですが。

    夫婦合わせるとそう言う額にも届くかもしれませんが、私も一人でそれだけもらえれば嬉しんですがね。(笑)

    失礼しました。

    アメリカ在住403年、アメリカでの勤労年数40年
    Gen

    • 訂正です。アメリカ在住40年でした。申し訳ありません。

    • 追加情報として、私はアメリカで40年間働き2年前に完全リタイアして今は年金生活者になってます。私の様に70歳まで繰り下げ受給した場合は、

      If you retire at age 70 in 2022, your maximum benefit would be $4,194.

      となり月々の最高額が4,194ドルx130円=54万5220円となります。

      これが最高額であり平均額ではありません。ただし私はこれだけはもらってませんが62歳の最高額近くはもらってますかね。

      これはこちらのSocaial Security Office の2022年のレポートから引用しました。

      Gen

      • すみません。またまた間違えました。こちらで40年働いて繰り下げ受給の70歳でもらってる年金が2,364ドルx130円として30万7320円ではあまりにも少な過ぎます。(私の書き間違いでした)

        私が繰り下げ受給の70歳でもらってる年金は、それほどの高額所得者ではなかったので66歳の満期の最高額の月々で3,345ドルx130円として43万4850に近い額です。ですからもっともらってる人は多くいると思います。

        ただし最高額は4,194ドルx130円=54万5220円までとなります

        それと年金から直接天引きされる税金の事ですが、基本的に取られるのはMedicare Medical Insurance とMedecal Prespcrition Drug Plan の二つだけです。率にして約0.062%前後引いた額が手取りでしょう

        その後年末のIRS(連邦所得税)とStates Tax(州税)はまた別払いになります。

        今後は間違いないと思います。(確認、確認)

        Gen

    • ごめんなさん、ごめんなさい、またまたやってしまいました。
      ドジな親父のツッコミ満載な書き込みとして聞き流してください。
      でも何もないよりも賑やかでいいでしょう。

      今回の間違いは年金から天引きされる%でした。
      数字では0.062でした。だから%表示では6.2%ですよね。
      それを0.062%と書いてしまいました。

      だいぶボケてますね。まぁその程度の男だと思ってください。

      失礼いたしました。

      でもまた何か面白い物があれば書かせていただきたいと思います。
      皆さんの暇つぶしになれば幸いです。

      ———————————————————————–
      そうですか、日本では私は富裕層に入るのですか。こちらでは結構カツカツで生活してるんですがね。

      それも馬鹿みたいにこの歳になってもまだ家のローンを抱えているからでしょう。普通この歳になれば完済してるものなのですが、それが生活を圧迫しているような状態です。

      Gen

  3. 情報をありがとうございます。
    いろいろ調べましたが、日本の年金の理論上の上限は30万です。
    うそやおまへん。

    平均の厚生年金+基礎老齢年金は14~15万で配偶者が国民年金満額は6万5千円
    だと、世帯の年金収入は17万から21万らしいです。
    なんか、別な数字を検索したかと思って何度もいろんな資料をあさりましたが、正しいようです。
     
    日本の年金制度では、月額30万を超える公的年金をもらっている人は
    わずか2万7千人しかおりません。
    https://okayama-fp.com/staff_blog/dannseikouseinennkinn.html
    動画もあります
    匿名さんが、日本に移住なさると富裕層となり税金をふんだくられます。

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